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今日のスタジアム(2021年7月17日)〜桜は何度でも咲く〜

梅雨明けの開花

セレッソはスペイン語で「桜」を意味する。桜はホームタウンの一つである大阪市の市花、そして日本人に最も愛されている花だ。そのためか、セレッソと対戦するチームのほとんどが「桜を散らせる」というありていのキャッチコピーを試合告知のポスターに書き込んでいる。

このコピー、冗談半分で書いているなら良いが、本気で書いているとしたらそれはライターが桜という花が愛されている本当の理由を理解できていない。桜の美しさ、それは何度散っても咲き続ける力強さだとわかっていないのだ。

7月17日(土)対ヴィッセル神戸。大阪府の緊急事態宣言が解除された最初の試合は我々の新しいホームスタジアム、ヨドコウ桜スタジアムのこけら落としとなった。それは、ヤンマースタジアム長居で枯れ果てたと思われた桜が、もう一度花開いた瞬間だった。

日常的、非日常

梅雨明けしてそう日も経っていないというのに、この日の大阪はとても暑かった。スポーツドリンクをラッパ飲みしてようやっと目まいがおさまるような酷暑。

それでも、長居に集まった人たちの顔はみな晴れやかで美しかった。無理もない、有観客のホームゲームは4月18日の浦和戦以来3か月ぶり。サポーターは生観戦に飢えていたのだ。

サッカーをスタジアムで観戦したことのない人の中には「DAZNで観られるのだから問題ないだろう?」と言う人もいるだろうが、冗談を言ってはいけない。モニターから試合を“観る”のと、スタンドから試合を“感じる”のとでは天と地ほどの差がある。

ピッチ上の選手が素晴らしいプレーをするたびに歓声が上がり拍手が起こる。ベンチにいる控え選手や監督、スタッフたちは仲間を励まし支える。その非日常の熱気に包まれるたびに生きていて良かったと感じられる。こんな快楽を味わえる場所は他にない。だから、人々はスタジアムに集うのだ。

良くも悪しくもセレッソらしく

さて、試合は実にセレッソらしい展開だった。連携が取れているのは右サイドの松田陸と坂元達裕くらいで後はほとんどがアドリブ。組織力など微塵もなく、守備にしても攻撃にしても個人技頼みで不安定この上ない。古橋亨梧に先制点を決められた時も「仕方ないな」という空気が立ち込めていた。

けれども、サポーターという生き物はあきらめが悪い。なんとか攻めろ、なんとしても追いつけ、やれるものなら逆転しろ、そんな熱気がヨドコウ桜スタジアムに立ち込めていく。1人や2人がそう念じたところで何も変わりはしないだろうが、4,539人分の思念が集まると話は変わってくる。

サポーターの願いが選手の体を動かし試合の流れを変えていく。サポーターとチームの予測不可能なセッションが神戸を圧倒していく。華麗さは微塵もなく、美しさとは程遠い濁流がゴール前に突進してくる。

鳥海晃司の同点ゴールはこの汚泥の中から生まれた。このセレッソらしい無茶苦茶さこそ、私が最も待ち望んでいたものだった。

試合は続く、どこまでも

スコアは1-1と凡庸なものの、満足度の高い試合だった。快適なスタジアムで、今までと同じく熱い応援を送り、勝ち点1を奪えたのだから。

だが、セレッソの尻には火がつきはじめている。現在、順位は12位、降格圏にいるガンバ大阪との勝ち点は7。下位チームとの試合で負けようものなら4度目のJ2参りも視野に入ってしまう。

次の試合こそ勝とう、勝たせよう。セレッソには最高のスタジアムと最高のサポーターがいるのだから、そう難しいことではないはずだ。手拍子で、拍手で、チームを支え、勝ち点を掴み獲ろう。

 

写真・文:牧落連

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