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【徹底紹介】実際どやねん?ヨドコウ桜スタジアム

近代、日本のスタジアムは総じて貧しかった。狭い国土とわずかな資金で最大限の効果を引き出そうと、つい最近まで複数のスポーツがおこなえるスタジアムをたくさん建設してきた。野球の聖地とされる阪神甲子園球場でさえ、設計当初は陸上競技場としての運用を考慮されていた。そうして気がつくと、どの競技も楽しく観られないコンクリートのかたまりが日本中に積み上げられた。

だが野球専用、サッカー専用、ラグビー専用のスタジアムが建設されるようになると、その良さが再確認されるようになった。セレッソ大阪もこの流れに乗り2010年代にキンチョウスタジアムを作ると、2019年にはより良い観戦環境を目指し大規模な改築をおこなうことに。それが、ヨドコウ桜スタジアムというわけだ。

今回は、7月17日のヴィッセル神戸戦でこけら落としとなった我らの新しいホーム、ヨドコウ桜スタジアムについて詳しくレポートしていきたい。

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東西南北に設けられた個性派のスタンド

まずキンチョウスタジアムとヨドコウ桜スタジアムの違いを確認しておこう。

キンチョウスタジアムではメインスタンドだった西側のスタンドをバックスタンドとし、東側の旧バックスタンドを解体、そこに2階建てのメインスタンドを新設した。ホームゴール裏は2倍の規模となり座席と屋根も設けられた。南側のゴール裏も約2倍に拡張されている。それぞれのスタンドは、同じスタジアムのものとは思えないほど個性的だったりする。

西側スタンドは座席とトイレ、ゲートに改修が施された。どの席も映画館で用いられるようなゆったりとしたシートに変わり、座り心地は最高。スタジアムグルメとお酒を楽しみながらのんびり試合観戦したいのであれば、バックスタンド一択だ。

一方、南側スタンドはこれぞアウェイ席という風情で、露天の上にピッチも遠く、隔離されている。サッカー専用スタジアムをホームとするチームのサポーターはみな酷評するだろうという作りだ。それでも、陸上競技場のゴール裏と比べれば雲泥の差がある。(こういうところだぞ、国立競技場。)

ホームゴール裏に与えられた武器

次は北側、ホームゴール裏の紹介に移ろう。規模はキンチョウスタジアム時代の約2倍、全席屋根に覆われている。さらに言うと拡張されたスタンドの側面には壁があり、最上段後ろは頑丈な防音壁に守られている。

ヨドコウ桜スタジアムの北側には児童養護施設や病院があり、騒音を漏らさないよう細心の注意が必要だったと予想されるのだが、これが予想外の効果を生み出すことになった。サポーターの手拍子や太鼓の音がスタンドの屋根や壁に反響し、大音量となってピッチに届くようになったのだ。

この日の試合でもサポーターの応援(手拍子)はすさまじく、メインスタンドにいた筆者はその迫力に圧倒された。コロナウイルスが収束に向かえばこれに声援が加わることになる。どれほどの威力なのか期待に心が躍る。

近すぎる?メインスタンド

最後に、新設されたメインスタンドの紹介といこう。ひょっとしたら一番好き嫌いが別れるスタンドかもしれない。

全席屋根付き、コンコースは広くゆったりとして最前列はこれ以上ないほどピッチに近いのだけど、なんというべきか、近すぎるのだ。目測でサイドラインまで5メートルほど、選手に声をかけたら普通に聞こえるような近さと考えてほしい。

私が座った席はホームメイン北指定席Sの最前列。座っているとピッチ上にいる人よりもローアングルで試合を観ることになる。選手がピッチに現れるころにはピッチとスタンドの合間に機材を装備したカメラマンまでやってきた。

体躯も見事なこのカメラマンは、カメラをブレさせないためのパーツを体中に取り付け、汗を吹き出しながら私の前を右往左往していた。いい映像を撮れるようにと黙々とカメラをのぞき込み、スタンドの観客を気にする様子もない。見辛いといえば、見辛い。

もうワンランク上のホームメイン北指定席SSを見ると、こちらはベンチ入りした選手たちがアップをしていて試合を観ることができないでいた。スタンドの最前列はとりわけチケット代が高いというのになんて有様だろう。

けれど、妙に楽しい。今までにないほど試合を“感じている”自分がそこにいた。もしこれ以上、試合を“感じたい”のなら、Jリーガーになるか、審判になるか、カメラマンになるしかない。それくらい極上の観戦環境だった。

もちろん、1階席の後ろ側の座席や2階席を選べば快適に試合を俯瞰できるのだが、私自身はヨドコウ桜スタジアムで最もアツいシートは1階席の最前列だと、そう考えている。

みんなに優しいスタジアム

そうそう、ヨドコウ桜スタジアムになって観戦環境が最も改善されたのはこれまで試合観戦に来られなかった人たちかもしれない。

どのスタンドでも女子トイレが改装され、規模も大きくなっている。キンチョウスタジアム時代には貴賓席だったバックスタンド中央にはキッズルームが設けられ、子育てに忙しいお父さん、お母さんもゆっくり試合が観られるようになった。身障者席はバックスタンド最前列に設けられ、こちらもピッチレベルでの観戦ができる。

私やホームゴール裏に陣取る熱心なサポーターも、子育てでスタジアムに通えなくなった人たちも満足できるスタジアムなんて最高じゃないか。

みんな、久しぶりに生観戦してみないか?

 

 

写真:牧落連・ヤマ(ps) / 文:牧落連

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