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【2025シーズンマッチレポート】第14節京都サンガ戦「窮地が生んだ劇的勝利」

おはよう、こんにちは、こんばんは、セレサポ.netライターの牧落連(まきおちれん)です。

町田戦後、チームに激震が走りました。今季キャプテンを務める田中駿汰選手が左膝前十字靭帯部分損傷、左大腿骨内外顆骨挫傷でチームを離脱。ヴィトール・ブエノ選手も右内転筋筋損傷で早期復帰は絶望的となりました。

これまでにも本間至恩選手が左橈骨遠位端骨折、左尺骨茎状突起骨折で離脱しており、公式が発表していないもののコンディション不良でベンチ入りできない選手も複数名いました。

今回は、そんな絶望的な状況の中、逆転勝利を掴み取った奇跡のような一戦をレポートしていきます。

苦しい台所事情はメンバーからも……

田中選手、ブエノ選手、本間選手が離脱したセレッソ、スターティングメンバーを見るとアーサー・パパス監督の苦悩が伝わってきます。進藤亮佑選手もコンディションが整わずメンバー外、疲労が蓄積している北野颯太選手、ハットン選手もベンチスタート。

代わって喜田陽選手がボランチに入り、一列前には上門知樹選手、ワントップにはルーキー古山兼悟選手が入ります。ベンチメンバーには2種登録されたばかりで高さのあるエゼモクェチメヅェ海選手も名を連ねることになりました。

サンガのスターティングメンバー発表、紫の光が揺れるスタジアム

刺激的な試合を運出したパパスセレッソの疑似カウンター

この試合、試合開始早々に2失点を許したものの、その後、主導権を握ったセレッソが大逆転に成功しました。スコアの推移が劇的で隠れてしまってはいますが、失点も得点も今年のセレッソらしいものでした。

今季のセレッソは攻撃時、ディフェンスラインがかなり低い位置まで下がって丁寧にボールを繋ぐことが多いです。相手チームの前線を食いつかせて自陣深くまで引き込むと選手間の距離が開いて守備ラインを突破しやすくなるからです。通常のサッカーの試合でも後半バテてきてスペースが生まれるとカウンターの打ち合いになることがありますが、それを意図的に作り出すのがパパスセレッソの狙いなんです。

ハマるとゴールをたくさん奪える戦い方ですがリスクもあります。自陣深くでキーパーやセンターバックがボールをつなぐわけですから、そこで奪われると即失点につながるのです。この試合の2失点目は西尾選手のパスミスがきっかけではありますが、この戦い方をしていなければ生まれなかったピンチと言えます。

悔しさの滲む西尾選手

悔しい失点ではありますが、今年のセレッソの痛快なゴールを生み出しているのもパパスセレッソだからこそなんですよね。1点目、ルーカス・フェルナンデス選手が仕掛ける時間と空間ができたのも、2点目、上門選手、古山選手が1対1の勝負に専念できたのも、ここまでリーグ3位の20ゴールを奪えているのもこの戦い方だからこそなので、根本から戦い方を変えるというのも現実的ではないですね。

古山の同点ゴール、後輩の活躍をみんなで祝福

リアリストになったアーサー・パパス

中島元彦選手が逆転ゴールを決めた瞬間、スタジアムは異様な空気に包まれていました。京都からすれば2点リードのアドバンテージを前半で失い、後半開始早々にひっくり返された悪夢のような瞬間、セレッソからすればベストメンバーを組めない中、代わって入った選手が持ち味を活かして奇跡を起こした歓喜の瞬間。

ダービーの5得点、鹿島戦の怒涛の攻撃、そして今節の大逆転、今年のセレッソはハマればすごいんですが、なかなかハマることができない。それが下位に甘んじている理由なのは明らかで、パパスも理解しているんでしょうね。この試合ではリードを奪って早々に逃げ切りに方針転換したのも印象的でした。

チームを引き締める香川真司選手の存在感

3点目を奪ったあと、右サイドバックが本職の奥田勇斗選手が右のストッパーに入り、ルーカス選手が右サイドバックまで降りる5バックで京都が入り込むスペースを埋めていきます。チェイシングで献身的に動いていた上門選手、フル回転でサイド突破を続け、さすがに疲労困憊のルーカス選手を下げ、阪田澪哉選手、香川真司選手を入れたことで前線の運動量をキープしたのもよかったですね。狙い通り1点リードを守り切ることに成功しました。

セレッソもチームとして練度が上がっているし、パパスも監督として勝ち点の積み上げに貪欲になっている。けが人が出たことで今できることはなんなのかをチーム全体で見つめ直した結果が今節の勝利につながったんではないかと思います。

禍福は糾える縄の如し(いいこと、悪いことは交互に起こるもの)といいますが、原因がどうであれ、現実的な戦い方ができるようになったのは今後のセレッソにとって大きな財産になるのではと期待しています。

まとめ

これ以上ないほどの窮地だからこそ、これまではしてこなかった選手起用、戦い方を試すことになり、出場時間が限られていた選手も結果で返してくれました。今のチーム事情を考えるとこの勝ち点と経験はとんでもなく大きいものです。

できることならこの流れを過密日程の中でも断ち切らないようにしたいですね。アウェイでの神戸戦、そして順位の近い横浜F・マリノス戦で勝ち点を重ねていくことができたなら、残留争いという不名誉な位置から抜け出すことができるはずです。試合が近いのでサポーターも疲れないようにしっかり英気を養いましょう。

それでは。

※余談になりますが、亀岡市の古くからの町並みにも違和感なく溶け込むサンガスタジアムby KYOCERAのデザインは素晴らしいですね。リーグ戦では負け無しと相性のいいスタジアムでもあります。

 

写真・文:牧落連

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