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​​​​セレッソ大阪とウクライナの9月反攻

どうも、セレサポ.netライターの牧落連です。

昭和生まれの私は、子どもの頃、「21世紀は科学技術が進歩して色々な問題が解決する」という科学雑誌を見てワクワクしていたものです。でも、理想と現実は違うもので、ここ3年間は新型コロナとの闘いが続いています。疫病だけでなく、最近では欧州で記録的な猛暑、パキスタンでは大洪水が起こっています。

そして、極めつけは軍事侵攻。2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始し、首都キーウや第2の都市ハリコウ、東部ドンバス地方や南部ヘルソン州、ザポロジア州を中心に全土が戦場になってしまいました。

全人口4,500万人のうち1,100万人が安全な国外に避難。この日本にも8月24日時点で1,783人の方々が避難しており、今後も増加すると予想されています。

日本財団

ウクライナ避難民として2人の娘を連れて日本に逃れてきたムリヤフカ・ナタリアさんに、日本での暮らしやいま必要な支援について…

ウクライナと日本では言葉も、文化も、気候も違います。また、ウクライナでは現在成人男性の出国が原則禁止となっているため家族離れ離れということも珍しくありません。

セレッソ大阪のホームタウンである大阪市と堺市では、市内で避難生活を送っているウクライナの方々に少しでも楽しい時間を過ごしてほしいと考え、スタジアムでのサッカー観戦ができないかとセレッソ側に依頼。セレッソ側もこれを快諾し、9月10日にヨドコウ桜スタジアムでおこなわれるサガン鳥栖戦にウクライナから避難されている方々を招待することとなりました。

ところがここで問題が……。

そう、セレッソが絶不調になったんです。

悪夢の連敗と散々な豪雨

8月10日、ルヴァンカップ準々決勝2ndレグ川崎フロンターレ戦を奇跡のような同点弾で制したセレッソでしたが、中断明けのサンフレッチェ広島戦で0-3と完敗すると歯車が狂いはじめます。

アウェイでのコンサドーレ札幌戦、ホームでの天皇杯広島戦と、先制しながら終盤に追いつかれ、逆転を許す試合が続きました。

迎えたサガン鳥栖戦当日、大阪は晴れの予報でしたがスタジアムが開門する直前からゲリラ豪雨が降りだしました。泣きっ面に蜂とはこのことだと思いながらヨドコウへの道を急ぎます。幸いスタジアムに着く頃には雨も止みウクライナ支援募金もおさめることができましたが、なかなかタフな出だしでした。

清武にしか見えない世界

試合はとんでもなくしびれる展開でした。選手がウォームアップに現れるとゴール裏からはこれ以上無い歓声が上がり、チャントも気合が入っていました。

ブルーノ・メンデス選手はトレードマークのひげを剃り上げ入念にシュート練習、キム・ジンヒョン選手もいつも以上にピリピリした感じでした。

先制点は後半立ち上がりのセットプレーから。鳥栖ディフェンスのクリアボールは大きな弧を描いて鈴木徳真選手の足元に、これをダイレクトボレーでスーパーゴール!

……と、これまでだったら「この試合もらった!」という展開なんですが、連敗中のセレッソの課題はこれから。試合を1-0のまま終わらせるのか、スキがあれば2点目を獲りにいくのか。ここ数試合ではあいまいなままで失点を重ねていました。

この試合では終盤、攻撃的サイドバックである山中亮輔選手を下げて守備力のある舩木翔選手を投入します。小菊昭雄監督の「この1点を守りきろう」という明確なメッセージが込められた用兵でしたが、これも実らず試合終了まであと5分というところでまたしても同点……。

それでもサポーターたちは諦めませんでした。「イケるイケる!」「今度こそ点とれ!」そんな熱気がスタジアムに満ちていくのを感じました。日本一ピッチが近いスタジアムです、選手にその声が聞こえていないわけがない。

清武弘嗣選手の正確無比なアシストを呼び込み、ジョアン・パトリッキ選手の決勝ゴールを引き出せたのは信じる心、諦めない気持ちだったように思います。

ウクライナが見ている世界

どん底から歓喜へ。苦しいゲームではありましたが、選手もサポーターも多くのことを学べた試合だったと思います。ウクライナの方たちも喜んでいたと聞き、ホッとしました。

帰宅しニュースを見ると、遥か彼方のウクライナ軍が反転攻勢、ハルキウ州東部で約2,000平方キロメートルもの国土を取り返したというとんでもない吉報が届いていました。大阪府の面積が1.899キロメートルなので、たった4日間で大阪に匹敵する国土を奪回したことになります。

ロシアが侵攻を開始した頃は「数日もてば大健闘」と言う人もいたそうですが、ウクライナの人々はねばり強い抵抗を続け、「まるで三国志のよう」と専門家も驚くほどの歴史的反攻を成功させたのです。

まとめ

セレッソのチャントに「熱い気持ち この歌に込め 叫び暴れろ」というのがありますが、これは万国共通の真理なのかもしれないですね。

中秋の名月とヨドコウ桜スタジアム

 

写真・文:牧落連

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