こんにちは、セレサポ.netライターの牧落連です!
先月、Jリーグ公式より、「声出し応援エリア/声出し応援席」を段階的に導入していくことが発表されました。
Jリーグは、ウィズ・コロナでのスポーツ観戦をさらに充実させるために、Jリーグの各試合において、効果的な感染症対策を講じな…
また、昨日6月28日には、7月30日からJリーグの全試合で座席のエリア問わず声出し応援を解禁するとの報道が出ました。
Jリーグは28日、7月30日から8月14日まで、希望する全試合で声出し応援を解禁すると発表した。政府方針に従い会場全体の…
ピッチにいる選手に直接チャントを届けられるのは嬉しいことですよね。一方で、新型コロナウイルスの流行は終息したわけではなく、しばらくは様子を見ながらの応援が続くものかと思います。イメージとしては「今までの応援スタイルに戻す」のではなく「新しい応援スタイルを築く」という感じでしょうか。
そこで今回は、声出し応援をいち早く開始した東京ヴェルディを誰よりも熱く支えるサポーター、加納広明さん(通称、全力さん)に、「新しい応援スタイル」の注意点についてお話をうかがいました。
全力さんとは?
皆さんは「全力さん」をご存知でしょうか?
2014年のキリンチャレンジカップ 日本代表vsジャマイカ代表の一戦で、息を切らしながら応援する姿がテレビ中継に映し出され、一躍有名になった方です。SNSなどでも話題になっていたので見たことがあるという人も多いかと思います。
全力さんは東京ヴェルディのサポーターグループ「加納組」のリーダーをされている方で、90分間まったく手を抜かない応援スタイルから「全力さん」の愛称で親しまれています。
東京ヴェルディ以外にも日本代表、WEリーグの日テレ・ベレーザを全力で応援しています。過密日程でも全力応援をし続けているため、ヴェルディの選手からも大丈夫だろうかと心配されるほどです。
どれほど激しい応援なのかは動画をご覧いただければおわかりいただけるでしょう。
全力さんの言葉から見えてきた3つのポイント
全力さんが応援する東京ヴェルディでは、6月12日のJ2第21節 いわてグルージャ盛岡戦で声出し応援の導入が始まりました。
そこで今回は、2年ぶりの声出し応援を体験した全力さんから全国のJリーグサポーターたちへ、コロナ禍の応援についてアドバイスをいただきました。ここでは3つのポイントに分けて紹介します。
応援に適したマスク選び
声を出すからにはいい応援にしたいですよね。けれど、マスクありの応援はかなりハードルが高いとのこと。多くの人が普段使用している不織布マスクは感染リスクは少ないものの、たくさんの“観戦”リスクを抱えているようです。
当たり前なんですが、不織布マスクはサッカー観戦用に作られたものではありません。なので大きく口を開けると鼻が出たりアゴが出たりととにかく厄介。マスクを固定するアイテムも販売されていますが、どうしてもズレてしまって逆効果だと言います。
これ、試合前に使ってみたら自分の場合大きく口を空けると動いちゃって余計邪魔になったから期待しない方が良いかも。 pic.twitter.com/tatWu7ymlr
— ひろぴこ (@hiropiko1969) June 15, 2022
また気温が高いと汗がマスクに染み込んで口もとにくっついてしまうので、不快になって試合に集中できないのも厳しいですね。
このあたりは個々人が自分に一番マッチするアイテムを揃えていくことである程度負担を軽減できそうです。できれば、いつもよりワンランク大きいマスクを用意することをおすすめします。
体調管理にも気をつけて
全力さんの応援は試合前から始まっています。夏場の試合では前、後半90分を応援し続けるために8リットルものスポーツドリンクを用意したり、負傷した膝でも飛び跳ね続けられるよう酸素カプセルを利用したりするなど、とにかく出来ることすべてを試してからスタジアムに向かう男の中の男。
それでも、久しぶりの声出し応援は厳しいものだったそうです。チャントを叫ぶ嬉しさもつかの間、すぐに息苦しさを感じ、スタミナ切れして以降はただただ苦しかったといいます。マスクを引いて呼吸しないと、応援以前に自分自身の意識が遠のくほどだったとのこと。
また試合後は「喉は確実に数日間、使い物にならなくなる」と言います。ノドが弱い方は最初からフルパワーで応援せず、少しずつ慣れないとお仕事に支障が出るかも知れません。
まだまだ「運営検証」段階
最後の一つは「お願い」に近いかもしれないです。
今回の声出し応援はあくまで検証、完全解禁に向けての第一段階です。そのため「食べ物を食べたり、飲酒をする行為は禁止」など他の席種にはない追加ルールが適応されます。
また、スタンドの様子を分析するため複数台のカメラが声出し応援を撮影しているようです。応援しているところをカメラで撮られるというのは恥ずかしいですし、うっかりルール違反をして注意をうけるのも避けたいところです。別の意味での息苦しさを感じずにはいられませんが、ここはガマンしましょう。
無観客試合からスタートし、観客数を制限しての試合が再開され、ようやくここまでたどり着くことができたんですから。最後のハードルもしっかり飛び越えたいですよね。
まとめ
試合当日にできることは本当に限られていると全力さんは語っていました。とにかく試合前日はたっぷり休養して体調を整えないと、応援はかなり厳しいものになるようです。
もしスタジアムで具合が悪くなったら、迷わず応援をやめて体力回復に努めてください。もし、倒れたりしてしまったら応援するクラブに迷惑をかけてしまいますし、なによりあなた自身の未来を曇らせてしまうかも知れません。
全体的にネガティブな記事になってしまいましたが、要点さえ抑えればほとんどの問題は解消されていくものと信じます。それぞれが新しいスタイルになじめば、新型コロナ流行前の賑わいを取り戻せるとも思っています。
セレッソにはACL出場、天皇杯制覇、ルヴァンカップ獲得、リーグ戦制覇が残っています。年末までに少しずつ、自分なりの応援スタイルを作り上げていきましょう!
取材:牧落連