おはよう、こんにちは、こんばんは、セレサポ.netライターの牧落連(まきおちれん)です。
2024年8月8日午後4時43分、宮崎県日向灘沖でマグニチュード7.1の地震が発生しました。この地震は九州南部に多大な被害をもたらしただけではなく、太平洋側の広範囲に甚大な被害をもたらすと言われる南海トラフ巨大地震と関連性が危惧されています。
こんな大災害が起こった際、私たちが愛して止まないホームスタジアムが重要な役割を果たすことがあるってご存知でしたか?
災害復興に活躍したロアッソ熊本とホームスタジアム
2016年4月14日に発生した熊本地震ではロアッソ熊本の本拠地うまかな・よかなスタジアム(現えがお健康スタジアム)が支援物資の集積地として利用され、復興の一助となりました。
また、同年7月3日には同スタジアムの一部が使用可能となり、J2リーグ第21節ロアッソ熊本対セレッソ大阪戦が開催されました。私は現地で観戦していましたが、ロアッソサポーターたちの熱気は素晴らしいものでした。
【公式】セレッソ大阪の「7/3 熊本戦」ページです。試合結果、スタッツ、関連ニュース、試合レポートなどをご覧いただけます…
もともとスタジアムは短時間に大量の人が出入りすることを想定して作られていますし、周辺の道路や駐車場も同様の考えのもとに整備されていますから避難所や集積地としてピッタリです。
また、おらが街のチームという存在は避難所や仮設住宅での生活を強いられている地元の人々にとって希望の光になりうるんです。お金にはならず記録にも残らない効果ではありますが、サッカー好きな読者の皆さんならわかっていただけると思います。
どんなときもホームタウンのためにフル稼働!
セレッソ大阪の本拠地であるヨドコウ桜スタジアムが建つ長居公園は、46,000人収容のヤンマースタジアム長居や15,000人収容のヤンマーフィールド長居も併設される総面積66.3ヘクタールの広大な公園です。あびこ筋や長居公園通といった主要道路も隣接し交通至便なことから、大規模火災発生時の避難先となる大阪市の広域避難場所にも指定されています。
他クラブのホームスタジアムも総合公園や運動公園内に建っているところは広域避難場所に指定されていることが多いので、あらかじめチェックしておくといいですね。
コロナ対策に、治水に、役立つJリーグスタジアム
スタジアムの短時間に大量の人が出入りできるという特徴は、自然災害以外にも重宝しました。2020年のコロナ危機の際は安全にたくさんの人にワクチン接種をしてもらえるようにとノエビアスタジアム神戸が接種会場に選ばれ、6,000名以上のワクチン接種をサポートしています。
Jリーグ加盟各クラブが社会貢献活動を行っているなか、コロナ禍でヴィッセル神戸が関わった新型コロナワクチン大規模接種会場の…
スタジアム建設時にあらかじめ他の機能も追加しているという事例も珍しくありません。土地の有効活用にもなりますし、近隣にお住まいの方たちへの理解も得られやすいというメリットがあります。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場)は近隣を流れる鶴見川の氾濫を防ぐ遊水地としての機能を有していますし、ガンバ大阪のかつてのホームである万博記念競技場も浄水場としての機能を有している複合施設です。
こういうのを調べていると、天変地異や自然災害の際のスタジアムの有用性というのがわかるんですけど、一方でたくさんの人が住む都市部がどれだけ脆弱なのかも知ることにもなりました。
万が一に備えて、それぞれのご家庭の震災対策も徹底していきましょう。
それでは。
写真・文:牧落連