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【2025シーズンマッチレポート】第10節鹿島アントラーズ戦「5回取り消されても、6回決めたら勝てるんです!」

おはよう、こんにちは、こんばんは、セレサポ.netライターの牧落連(まきおちれん)です。

第10節、ヨドコウ桜スタジアムでの鹿島アントラーズ戦は、記憶にも記録に残る試合になりました。5度のゴール取り消しとPK失敗を乗り越えて掴んだ15年ぶりのホームでの勝利は、難敵を撃破しただけではなく、サポーターのあり方やクラブ、選手との向き合い方を再確認させてくれた大切な一戦となりました。

今回のレポートは90分+AT12分にわたる激闘の、さらに1日前から始まります、

クラブから出された異例のお願い

2025年4月11日、セレッソ大阪はオフィシャルサイトで異例のリリースをおこないました。

セレッソ大阪オフィシャルウェブサイト | Cerezo OSAKA

【公式】セレッソ大阪の「ニュース」ページです。試合やスケジュール、チケット情報、イベント情報、ファンクラブ、グッズ情報、…

現在、複数の選手が、試合後にプレー内容等に関連して、SNSのDM(ダイレクトメッセージ)等を通じて誹謗中傷を受けていることを確認しております。SNSは、クラブとファン・サポーターの皆さまをつなぐ大切なコミュニケーション手段である一方で、悪意ある言葉は受け取る側に不安や恐怖を与え、心身に深刻な影響を及ぼす場合があります。

SNSができてから、選手、クラブとサポーターとの距離がぐっと近いものになりました。選手のひととなりや普段考えていることを知るのはすごく嬉しいことですし、選手が身につけているアイテムなどがわかるのもいいですよね。

一方で、負けが込んできたりするとサポーターと思わしきアカウントから心ない誹謗中傷のコメントが送られることもあるようです。ほとんどのSNSは匿名でアカウントを作成できますから、自分が何者かを知られることなく選手に好き勝手言えてしまうんですよね。しかも、DMならば他のアカウントに制止されることもありません、狡猾(こうかつ)な行為です。

選手はプロではありますが、みんなまだまだ若い普通の青年たち。彼らが誰ともしれない人間からこんな攻撃をされたらどう思うでしょうか?スタジアムでプレーするときもオフのときでも、いつそんな人に出くわすかと思うと安心ではいられないはずです。そんな精神状態でプレーしても普段通りのパフォーマンスは発揮できないでしょう。チームを勝たせたいと思って入団した選手を、匿名で攻撃することがサポーターのすることだとはとても思えないです。

X(旧Twitter)ではこのニュースリリースから様々な意見が飛び交いました。自分が推している選手がこんな被害にあったらたまらないという方、応援はもっと前向きであるべきだという方が大多数でした。

残念だったのは普段ブーイングや個人叩きをされているらしいアカウントに対するバッシングがあったことです。確かに選手の個人名を出して叩かれているポストは見ていて気分よくないものですけど、その人を叩くことはその人が選手を叩いている構図とあまり変わらないものなので、そっと離れていくだけで十分な気がしました。

サポーターたちの応援に結果で応えたセレッソ

さて、ここから試合についてなのですが、スタジアムの雰囲気はとてもいいものでした。選手がピッチに登場した時も激励するような声掛けがあちこちから聞こえて、ゴール裏もバックスタンドもメインスタンドも手拍子がいつもより大きめだったように感じました。これが大多数のサポーターの気持ちなのだと選手たちに伝えているようでした。

チームもコンディションが良かったようで、過密日程の鹿島に対し終始優勢。北野颯太選手、中島元彦選手のバランスも良かったし、ルーカス・フェルナンデス選手のスキルとスピードはキレキレ、攻撃の起点になる福井光輝選手、進藤亮佑選手、西尾隆矢選手のラインでもボールがちゃんとつなげていました。

前半はスコアレスも、手応え十分。しかし、ここからゴールが決まってはオフサイドと判定されるもどかしい展開が始まります。

何度取り消されようと、声援は止まず

後半9分、ハットン選手のゴールがVARによってオフサイドと判定され取り消されたのを皮切りに、ルーカス選手のゴールは直前のハットン選手がボールを受けた時点でオフサイド、進藤選手のゴールもVARによって取り消され、このあたりからスタジアムは異様な空気に包まれます。

ハットン選手の先制ゴールもVARで取り消しに……

その後もゴールの取り消しは続きます。田中駿汰選手のヘディングもコースにいたハットン選手がプレーに関わったとしてオフサイド、カウンターでルーカス選手がハットン選手へのスルーパスもタイミングがズレてオフサイド。計5回もゴールかに見えたプレーがゴールと認められなかったのです。

こういう流れになると、審判に対する不満が爆発してスタンドから罵声が飛んだりすることもありますが、この日は違いました。ゴールが取り消され悔しがる選手たちに「次こそ決めよう!」とゴール裏から絶えることのないチャントが送られます。チームも後押しされるように何度も何度も攻め続けます。

90分が過ぎ、示されたアディショナルタイムもとうにすぎた後半45+12分には途中出場の本間至恩選手が左サイドをドリブル突破、いいパスをルーカス選手につなぐと彼が倒されPK獲得。ところが、これも相手GKに阻まれて得点ならず……。

いよいよ最後のチャンスとなったコーナーキック、ルーカス選手のキックはかつてのチームメイト、レオセアラ選手のヘッドに触れてファーサイドに流れますが、詰めていた進藤選手が値千金のゴールを決めます!

劇的な、本当に劇的なゴールを決めた進藤選手が真っ先に飛び込んだのはこれまで後押しを続けていたサポーターの待つゴール裏でした。サポーターと選手たちの絆のようなものが、これまで以上に固く強くなった瞬間だったように思います。今季初のクリーンシートのおまけ付きで、セレッソはホーム連勝となりました。

まとめ

ホームの鹿島戦ではずっと勝てておらず、その上にセレッソからの異例なお願いがあって、試合展開もとんでもないものでした。けれど、一つのゴールで、一つの勝利で、嫌な空気を吹き飛ばせたのは大きいです。個人的には90分間スプリントし続けたハットン選手にお疲れ様でしたと言葉をかけたいです。

ゴールを取り消されたりPKを決められなかったりはしましたけど、鹿島の最終ラインのイヤなところに入って仕掛け続けたからこそ、チームがあれだけの決定機を作れたんですよね。目に見えない貢献度は計り知れないものがあります。これからもこのクオリティを保ち続けてほしいですね。それでは!

ビリケンさん、ありがとう

 

写真・文:牧落連

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