おはよう、こんにちは、こんばんは、セレサポ.netライターの牧落連(まきおちれん)です。
当たり前なんですが、セレッソが好きでサッカーが好きです。ただ一点だけ苦手なことがあります、それが移籍です。
他のプロスポーツは野球くらいしか知らないので何とも言えないんですが、これまで一所懸命に応援してきた選手が突然違うチームに行ってしまうのは寂しいものがあります。3度の降格を経験し、たくさんの選手が入れ替わるところを見てきましたが、ずっと慣れません。

逆に、セレッソのためにと来てくれた選手が結果を出せないでいると、焦っていないか、つらくはないかと感じることもあります。厳しい世界ですから、ベンチが続いたり戦力外になることだってある。
私はいわゆる氷河期世代なので、仕事がうまくいかずに「このままではマズいぞ」というプレッシャーにつぶされそうになる感覚がリアルにわかるんですよね。
この試合、スコアレスのままPK戦までもつれ込む接戦になりました。試合をコントロールしていただけに90分で勝ち切りたいところでしたが、その代わりに今年新加入した苦労人がセレッソにとって欠かせない存在だと証明されました。ただ、それが嬉しい。
やっと戻ってきた日常
開幕戦がヤンマースタジアム長居でのダービー、次の試合がヨドコウ桜スタジアムでの開幕戦で相手は苦手のサンフレッチェ広島と、やたらとストレスのたまるカードだったので、清水戦は程よいテンションでヨドコウに足を運べました。
時おり小雨がパラつくあいにくのお天気ということもあって、観客数は15,503人と若干寂しい。それでもセレッソのホームゲーム。スタジアムの空気感は最高だし、スタグルはうまいし、お酒も進むもんです。


試合開始2時間前にはスマホでスターティングメンバーのチェックをしながらバス待ち。GKは第2節福岡戦から変わらず、今年加入したばかりの中村航輔選手が入りました。

開幕戦はキム・ジンヒョン選手が意地の正GK奪還を果たしたもののケガで無念の離脱、第2節からはこの苦労人が最後の砦を任されています。キム・ジンヒョン選手のケガは心配ですが、中村選手が気迫あふれるプレーをしているのは嬉しい限り。今節も見せてくれましたね。
物語はまだ終わっちゃいない
中村選手はかなりレアなキャリアを歩んできました。才能を認められ2013年に柏レイソルユースからトップに昇格しましたが、レギュラーをつかんだのはレンタル移籍先のアビスパ福岡。レンタルバックし柏の正GKとして君臨、代表にも名を連ねたかと思うと、今度は度重なるケガに悩まされるようになります。海外挑戦もしましたが満足な結果が得られませんでした。
2025年1月にポルトガルのポルティモネンセSCを退団。移籍先を探しても見つからず、セレッソに加入する今年1月まで無所属という逆境の中にいました。
SNSでは彼がかつて所属していたクラブの元監督が母国でのインタビューに応えた際、中村の海外挑戦を「引き留めたのに行ってしまった、2年を無駄にして別人になってしまった」と酷評したのも記憶に新しいです。
それでも今、中村選手はセレッソのゴールを守っています。サッカー選手としてプレーする、その希望を捨てずにオファーを待ち続けた結果です。艱難辛苦を乗り越えてきたタフガイなんて応援したくなるじゃないですか。

現実的な守備偏重?
試合を俯瞰で見てみると、少しずつアーサー・パパス監督らしさがでてきた印象があります。スタッツを見てもボール保持率、パス成功率、シュート数が改善されています。シーズン通してこのスタイルを維持できれば今よりかなりいいところにいられるのではと楽観視しています。

正直なところ、櫻川ソロモン選手ひとりでレオ・セアラ選手やラファエル・ハットン選手の穴を埋めるのは無理があります。昨季のアシスト王、ルーカス・フェルナンデス選手をケガで欠いているのも痛い。なので、ゴールはそう生まれそうにない。

その代わり、守備は計算できるようになりました。この試合ではレンタルバックした石渡ネルソン選手がボランチとしてよく働いていました。井上黎生人選手も堅い守りを見せていたし、大畑歩夢選手もタフでしたね。90分間戦ってスコアレスですが、清水エスパルスを枠内シュートゼロに封じたのはお見事でした。

最後の砦を守る、もうひとつの砦
PK戦では中村選手と12番目の選手が大活躍しました。ホーム側のゴールでPK戦と決まると、大旗を持ったサポーターがゴール真後ろに移動します。
清水のPKの際は集中力を削ごうと大旗が上下左右に打ち振られるんですが、桜色の大旗が命あるもののように揺れ動く様は激しくも美しくて見とれてしまいました。中村選手を支えたい、みんなで勝ちたい、勝たせたいという意志が、旗をより美しく、大きく見せたというと言い過ぎでしょうか。

中村選手の持ち味はシュートへの反射スピードです。それは長崎戦でも広島戦でもわかっていましたが、PKとなるとその持ち味が存分に発揮されましたね。
1人目のカピシャーバ選手のPKを左足一本で、4人目の北爪健吾選手のPKをドンピシャで止めて、この試合のヒーローになりました。エルゴラッソの今節のベストイレブンに選ばれたのも納得です。
この試合を勝ちきれたのは彼のおかげ、頼もしい男が加わってくれました。改めまして
中村航輔選手、ようこそセレッソ大阪へ!
